Last Update:7 Sep. 2004
■システムの時刻を調整する方法

1.はじめに

■はじめに

 ここではシステムの時刻を調整する方法について説明していきます。

 方法としては、電源断時も時刻を刻み続けているハードウェアクロックから
 システムの起動時に一度だけ時刻を取得するシステムクロックの時刻を調整
 する方法と、NTPサーバから時刻を取得して時刻を修正する方法等があります。
 ハードウェアクロックやシステムクロックは狂いが生じやすく、正確な時間を
 保つことができません。そこで、ここでは NTPサーバから時刻を取得する方法に
 ついての説明を行っていきます。

 なお、ntp のパッケージがインストールされている必要があります。
 以下のコマンドで確認し、インストールされていない場合はインストールディスク から
 ntpのパッケージのインストールを行ってください。

# rpm -q ntp
ntp-4.1.0b-2

2.Firewallの設定

■Firewallの設定

 Firewallが設定されている場合、NTPサーバと通信出来ないためにNTPサーバの
 時刻を取得することが出来ません。以下の手順にしたがって、Firewallの設定
 を変更してください。

 1. rootユーザでログインします。

 2. setupコマンドを実行します。
# setup
 3.“Firewall configuration”を選択し、Returnキーを押します。

 4. Firewall ConfigurationウィンドウのSecurity Levelによって設定手順が
   異なります。

  - High,もしくは、Mediumを選択した場合
   ・Customizeを選択します。
   ・Customizeウィンドウが表示されるので、Other portsの欄に”123”と
    入力してOKを選択します。
   ・Firewall ConfigurationウィンドウでOKを選択します。

  - No firewallを選択した場合
   ・Firewall ConfigurationウィンドウでOKを選択します。

 5. Choose a Toolウィンドウで、”停止”もしくは、”Quit”を選択します。

 6. ネットワーク機能を再起動します。
# /etc/rc.d/init.d/network restart

3.NTPサーバの指定方法

■指定方法

 NTPサーバから同期する時刻を取得するために、etc/ntp.confファイルを開き
 以下の様にNTPサーバを登録します。
# vi /etc/ntp.conf

   :
server 133.100.9.2
server 130.69.251.23
driftfile /etc/ntp.drift
   :

■NTPサーバ

 国内での主なNTPサーバとしては、以下のようなものがあります。

[国内の主なNTPサーバ]
場所 サーバ名IPアドレス
東北大ntp.tohoku.ac.jp
ntp1.tohoku.ac.jp
ntp2.tohoku.ac.jp
130.34.11.111
130.34.11.117
130.34.48.32
東大eric.nc.u-tokyo.ac.jp130.69.251.23
東京理科大sutns.sut.ac.jp133.31.30.8
豊橋技術科学大学ntp.tut.ac.jp133.15.64.8
大坂府立大eagle.center.osakafu-u.ac.jp157.16.213.52
和歌山大narumi.eco.wakayama-u.ac.jp133.42.147.2
広島大ns.hiroshima-u.ac.jp133.41.23.12
福岡大clock.nc.fukuoka-u.ac.jp
clock.tl.fukuoka-u.ac.jp
drake.nc.fukuoka-u.ac.jp
133.100.9.2
133.100.11.8
133.41.4.2
琉球大geo.gen.u-ryukyu.ac.jp133.13.144.124

 NTPサーバを指定したら、ntpd を起動または再起動をしてください。
# /etc/rc.d/init.d/ntpd start(または restart)
 次に指定したNTPサーバとの同期が取れているかを確認します。
# ntpq -p
    remote          refid      st t when poll reach   delay   offset  jitter
=============================================================================
+clock.nc.fukuok   .GPS.        1 u  185  512   377  229.786 123.915 104.444
*eric.nc.u-tokyo.  .GPS.        1 u  255  512   377   50.236  24.838   3.128

[NTPサーバの状態]
記号内容
 遠距離のため未使用のサーバ
×falseticker 検査で捨てられたサーバ
.参照サーバが多いために使用しないサーバ
ローカルマシンの NTP サービスと相性のいいサーバ
ローカルマシンの NTP サービスと相性の悪いサーバ
遠距離だが使用可能なサーバ
同期中のサーバ
同期中のサーバ(間接的にPPS信号で同期を行う)

[ntpqで表示される値の内容]
項目内容
remoteリモートのNTPサーバの名前
refidどこから時刻を取得してきているかを示しています。サーバのホスト名や
.GPS.等を表示します。 .GPS.の場合は Global Positioning System から
時刻を取得している事を示します。
ststはStratumの略で1から16の数字でリモートサーバの正確さを示して
います。1に近ければ近いほど正確で、16はサーバに接続できない事を
示しています。
t階層の種類を表しています。
l:local u:unicast m:multicast b:broadcast
whenリモートのNTPサーバから最後に時刻を取得してからの時間を
秒数にして示したものです。
poll同期を行う時間間隔を秒単位で表したものです。
ネットワークの通信量や人気のあるNTPサーバなどの負荷を減らすように
なっているので同期を行う感覚が長くなっていき、pollの値も大きくなっていきます。
reachローカルマシンがNTPサーバに接続を試みた、最後の8回分の結果を8進数で示しています。
全て接続に成功していれば 377 となります。
delayローカルマシンからの時刻の要求に対する返事に要された時間(秒単位)
offsetローカルマシンとリモートサーバの時刻の違いを示しています。同期すれば時刻が
だんだん正確になっていくので、 offset の値は小さくなっていきます。
jitter時刻の要求・応答を行った際の、offset の値の統計的な揺らぎをあたえた数値です。

 ここまでの設定でシステムの時刻の調整が終了しました。

 Linuxシステムを起動したときに ntp を自動起動するために、以下の
 コマンドを実行します。
# chkconfig ntpd on
# chkconfig --list ntpd
ntpd   0:オフ 1:オフ 2:オフ 3:オン 4:オン 5:オン 6:オフ
■ハードウェアクロックの修正方法

 NTPサーバから取得してきたシステムクロックの時刻をハードウェアクロックに設定するには
 hwclockコマンドを使用します。時刻の設定ができたら、設定が変更されたかどうかを確認してください。
# hwclock -w
# hwclock
2004年09月06日 12時00分15秒 0.548177 秒
 また、以下の様に現在時刻をハードウェアクロックに設定し、ハードウェア
 クロックをシステムクロックに同期させる事も可能です。
# hwclock --set --date=1200
# hwclock -s
# hwclock
2004年09月06日 12時00分15秒 0.548177 秒
# date
2004年 9月 6日 月曜日 12:00:20 JST

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