Last Update:23 Jul. 2004
■BladeServer インストールガイド

1.はじめに

■はじめに

Express5800/BladeServerへの Red Hat Enterprise Linux ES 2.1のインストールには、PXEテクノロジーを使用したネットワーク経由のインストールを行います。
本インストール方法では、DHCPサーバ、TFTPサーバ、NFSサーバが必要となりますが、SystemGlobe DeploymentManager Lite を導入することで、インストールの手続きや環境管理の簡易化を図ることができます。この場合、TFTPサーバは必要ありません。

今回は、Linuxサーバ上にDHCPサーバ、NFSサーバを構築して、SystemGlobe DeploymentManager Liteを使ったインストールを行なうための手順について説明していきます。

<<補足>>
  • SystemGlobe DeploymentManager Lite のインストールの概要については、付録を参照して下さい。
  • SystemGlobe DeploymentManager Lite を利用しないインストール方法については、Linux基本サービスセットに添付されている「Express5800/Linuxインストール代行サービス説明書」を参照して下さい。
  • このガイドでは、「SystemGlobe DeploymentManager Lite ユーザーズガイド」「Express5800/Linuxインストール代行サービス説明書」の手順に従って説明していますので、これらの資料も併せてお読み下さい。




2.環境構築

■構築環境

このインストールガイドでは、以下の環境で構築することを前提としています。これ以外の環境で構築する場合には、内容を読み替えて適宜設定を行なってください。

DHCPサーバRed Hat Linux7.2
NFS サーバRed Hat Linux7.2
サーバアドレス
(DHCP/NFS/FTP)
192.168.0.11
ブロードキャストアドレス192.168.0.255
ネットマスク255.255.255.0
ルータのIPアドレス192.168.0.254
アドレス範囲192.168.0.100 〜 192.168.0.120


なお、ホスト名を割り振る際には、「420MA-1」「420MA-2」...と割り振り、MACアドレスは、「00:30:13:xx:xx:01」「00:30:13:xx:xx:02」...であるものとします。



3.SystemGlobe DeploymentManager Lite のセットアップ

■インストール

  1. SystemGlobe DeploymentManager Lite のインストール

    SystemGlobe DeploymentManager Lite は、Express5800/420Ma に添付の EXPRESSBUILDER の中に入っており、インストールには2つの方法があります。

    1. EXPRESSBUILDER CD-ROM の [MCメニュー]→[ソフトウェアのセットアップ]→[SystemGlobe DeploymentManager Lite のセットアップ]を選択。
    2. EXPRESSBUILDER CD-ROM の \DPML\SETUP\SETUP.EXE を実行。


    「セットアップへようこそ」ウィザードが開くので、「次へ」を選択します。

    セットアップへようこそ


    「使用許諾契約」が表示されるので、内容をよく読み「はい」を選択します。

    使用許諾契約


    「インストール先の選択」が表示されるので、インストール先のフォルダを指定して「次へ」を選択します。

    インストール先の選択


    インストールが開始されるので、完了まで暫くの間待ちます。

    セットアップステータス


    インストールが完了したら「完了」を選択します。インストール完了後、「スタート」メニューに「SystemGlobe DeploymentManager」が登録されます。

    InstallShield Wizardの完了


  2. SystemGlobe DeploymentManager Lite の初期設定

    「スタート」メニューから「すべてのプログラム」→「SytemGlobe DeploymentManager」→「SystemGlobe DeploymentManager Lite」を選択してSystemGlobe DeploymentManager Lite を起動します。

    初回起動時のみ「管理者パスワード設定」の画面が表示されるので、管理者パスワードを半角英数字の1〜15文字で入力します。
    管理者パスワードは、設定を変更する際や処理を実行する場合に必要になります。

    管理者パスワード設定


    初期設定を行なうことを確認する画面が表示されるので、「OK」を選択します。

    Deployment Manager


    「詳細設定」の画面が起動するので「全般」タブの画面に必要な情報を入力します。

    「サーバ情報」ボックスの「共有フォルダ」には、パラメータファイル(Linuxのインストールの場合には、syslinux.cfg)を格納するフォルダのパスを指定します。デフォルトでは「C:\Deploy」になっていますが、任意に変更(ここでは、D:\Deploy)することが出来ます。このフォルダは、Windowsの場合、OS、サービスパック、アプリケーションなど多くのファイルを格納するので充分な空きスペースがあるパーティションを指定する必要がありますが、Linuxの場合は、前述のパラメータファイルを格納するだけなので、空きスペースについて特に意識する必要はありません。

    注)任意のフォルダを「共有フォルダ」として指定した場合、指定したフォルダに対してエクスプローラから「共有」の設定を行なって下さい。

    詳細設定(全般)


    「DHCPサーバ」タブを選択し、DHCPサーバの場所を指定します。

    今回想定している環境では、DHCPサーバを、Linux上に構築していますので、「DHCPの設置場所」ボックスでは、「別のコンピュータ」を指定します。
    なお、Windows2000 ServerなどDHCPサーバの機能を構築可能なマシンにSystemGlobe DeploymentManager Lite をインストールし、同じサーバ上でDHCPサーバを構築する場合のみ、「このコンピュータ」を選択することが出来ます。

    「詳細設定」画面の「OK」ボタンをクリックします。

    ※「シナリオ」タブ、「ネットワーク」タブの内容は、初期値のままで運用することが可能です。また、変更の必要がある場合、初期設定終了後に、「ファイル」→「詳細設定」から変更することが出来ます。

    詳細設定(DHCPサーバ)


    DHCPサーバの設置場所を変更すると、Windowsの再起動後に設定が反映されます。すぐに反映する場合には、SystemGlobe DeploymentManager PXE Management のサービスの再起動します。

    詳細設定(DHCPサーバ)


  3. グループの追加

    SystemGlobe DeploymentManager Lite のツリービューで右クリックし、「グループの追加」を選択します。

    SystemGlobe DeploymentManager Lite


    「グループの追加」の画面が表示されるので、グループ名に任意のグループ名を入力します。そして、管理サーバとBladeServerが同じネットワークにある場合には、「DeploymentManagerと同一サブネット」を選択します。ルータを介して別のネットワークにある場合には「DeploymentManagerと別サブネット」を選択し、ネットワークの情報を入力します。

    グループの追加


  4. 収納ユニットの追加

    次に、ツリービューに登録されたグループ名を右クリックして、「収納ユニットの追加」を選択します。

    SystemGlobe DeploymentManager Lite


    「ブレード収納ユニットID入力」の画面が表示されるので、収納ユニットのIDを1〜16の範囲で選択します。このIDは、同一のラックに収納されたブレード収納ユニットを識別するためのものです。

    ブレード収納ユニットID入力


  5. BladeServerの登録

    手動で、BladeServerの電源を「ON」にします。しばらくすると、ツリービューに「未登録」として電源を投入したBladeServerのMACアドレスが表示されるので、これを右クリックし、「CPUブレードの追加」を選択します。




    「CPUブレードの追加」の画面が表示されるので、必要な項目を入力します。

    グループ名登録済みのグループ名を選択。
    コンピュータ名BladeServerに割当てる名前を入力。
    ブレード収納ユニットIDラック内の収納ユニットのIDを選択。
    ブレードスロットIDBladeServerを登録する収納ユニット内の位置(スロットID)を登録。410Eaの場合は奇数番号のみ使用可能。
    スロット幅420Maの場合は「1」を410Eaの場合は「2」を入力。
    MACアドレスBladeServerのMACアドレスが登録済み。
    シナリオ名6.インストールの実行」の■シナリオの作成で作成するシナリオファイルを選択。後から登録することも可能。





    SystemGlobe DeploymentManager Lite のツリービューの該当する収納ユニットをダブルクリックすると、登録したBladeServerが追加されていることを確認することができます。





4.NFSサーバの構築

■はじめに

NFSを利用したインストールのため、インストールに必要なファイルを格納したNFSサーバを構築する必要があります。

以下において、BladeServerにRed Hat Enterprise Linux ES 2.1 をインストールする際に必要なNFSサーバの構築方法と、NFSサーバに格納するファイルの準備方法について説明します。


■NFSサーバの設定

  1. サーバへのログイン

    サーバに「root」でログインします。
    NFS Login: root
    Password: xxxxxx    # [xxxxxx]は表示されません。
    Last login: Mon Jun 3 10:00:00 from 192.168.0.10
    [root@NFS root]#
    

  2. パッケージの確認

    NFSで使用するパッケージがインストールされていることを確認します。
    [root@NFS root]# rpm -qa | grep nfs
    nfs-utils-0.3.1-13
    [root@NFS root]# rpm -qa | grep portmap
    portmap-4.0-38
    
    インストールされていない場合には、Red Hat Linux7.2 インストールCD#2からインストールします。
    [root@NFS root]# mount -t iso9660 -o ro /dev/cdrom /mnt/cdrom
    [root@NFS root]# cd /mnt/cdrom/RedHat/RPMS/
    [root@NFS root]# rpm -ihv nfs-utils-0.3.1-13.i386.rpm
    Preparing...         #################################### [100%]
    nfs-utils            #################################### [100%]
    [root@NFS root]# rpm -ihv portmap-4.0.38.i386.rpm
    Preparing...         #################################### [100%]
    portmap              #################################### [100%]

  3. 設定ファイル「/etc/exports」の編集

    「/etc/exports」ファイルに、NFSで公開するディレクトリとその条件を記述します。
    [root@NFS root]# vi /etc/exports
    /exports/redhat/blade (ro)
    /exports/redhat/blade-ks (ro)

  4. NFSサービスの起動

    以下のコマンドを実行して、NFSのサービスを起動します。
    [root@d237 root]# /etc/rc.d/init.d/portmap start
    portmapperを起動中:                                    [  OK  ]
    [root@NFS root]# /etc/rc.d/init.d/nfs start
    Starting NFS services:                                 [  OK  ]
    Starting NFS quotas:                                   [  OK  ]
    Starting NFS mountd:                                   [  OK  ]
    Starting NFS daemon:                                   [  OK  ]
    そして、次回起動時からもnfsサービスが有効になるように、以下のコマンドを実行します。
    [root@NFS root]# /sbin/chkconfig --level 345 nfs on
    [root@NFS root]# /sbin/chkconfig --level 345 portmap on

■インストールファイルの準備

  1. Red Hat Enterprise Linux ES 2.1 インストールCD#1のコピー

    以下のコマンドを実行して、NFSで公開するディレクトリを作成し、Red Hat Enterprise Linux ES 2.1 インストールCD#1をコピーします。
    [root@NFS root]# mkdir -p /exports/redhat/blade
    [root@NFS root]# mount -t iso9660 -o ro /dev/cdrom /mnt/cdrom
    [root@NFS root]# cp -a /mnt/cdrom/* /exports/redhat/blade/
    [root@NFS root]# umount /mnt/cdrom
    [root@NFS root]# eject /dev/cdrom
    

  2. Red Hat Enterprise Linux ES 2.1 インストールCD#2のコピー

    以下のコマンドを実行して、Red Hat Enterprise Linux ES 2.1 インストールCD#2をコピーします。

    注)「cp」コマンドは、エイリアス(「alias」コマンドで確認可)で "-i" オプションが付加されている場合があるので、「/bin/cp」と実行し、"-i" オプションの影響を受けないようにします。
    [root@NFS root]# mount -t iso9660 -o ro /dev/cdrom /mnt/cdrom
    [root@NFS root]# /bin/cp -af /mnt/cdrom/* /exports/redhat/blade/
    [root@NFS root]# umount /mnt/cdrom
    [root@NFS root]# eject /dev/cdrom

  3. 「Linux 基本サービスセット ソフトウェアCD-ROM」のコピー

    以下のコマンドを実行して、Linux基本サービスセットに添付されている「Linux 基本サービスセット ソフトウェアCD-ROM」をコピーします。
    [root@NFS root]# mount -t iso9660 -o ro /dev/cdrom /mnt/cdrom
    [root@NFS root]# /bin/cp -af /mnt/cdrom/* /exports/redhat/blade/
    [root@NFS root]# umount /mnt/cdrom
    [root@NFS root]# eject /dev/cdrom

■動作確認

他にLinux(UNIX系)のマシンがある場合には他のマシンから、ない場合には自サーバから以下のコマンドを実行して、公開しているディレクトリがマウントできることを確認します。
※マウントの際には、環境に応じて下線部を読み替えて下さい。
[root@NFS root]# mkdir -p /mnt/nfs
[root@NFS root]# mount -t nfs 192.168.0.11:/exports/redhat/blade /mnt/nfs
エラーが出力された場合には、NFSサーバの設定をもう一度見直して下さい。
TurboLinux Server 6.5などで、inetd + tcp_wrapper を使用している場合には、「hosts.allow」を編集して該当のクライアント(サーバ)が portmap サービスを使用できるように設定してある必要があります。

<<参考>>
 Linux NFS-HOWTO [http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/NFS-HOWTO/]



5.DHCPサーバの構築

■はじめに

BladeServerにRedHat Linux 7.2をインストールする場合、前述の通りNFSを使用して行います。しかし、BladeServerは、IPアドレスなどのネットワークの情報を持っていませんので、DHCPサーバを使用してネットワーク情報を付与する必要があります。

以下において、BladeServerをインストールする際に必要なDHCPサーバの設定について説明します。


■DHCPサーバの設定

  1. パッケージの確認

    DHCPサーバを構築するために必要なパッケージがインストールされていることを確認します。
    [root@NFS root]# rpm -qa | grep dhcp
    dhcp-2.0p15-8
    dhcpcd-1.3.18p18-13
    インストールされていない場合には、RedHat Linux 7.2 インストールCD#2からインストールします。
    [root@NFS root]# mount -t iso9660 -o ro /dev/cdrom /mnt/cdrom
    [root@NFS root]# cd /mnt/cdrom/RedHat/RPMS
    [root@NFS root]# rpm -ihv dhcp-2.0p15-8.i386.rpm
    Preparing...         #################################### [100%]
    dhcp                 #################################### [100%]

  2. 「/etc/dhcpd.conf」の編集

    2.構築環境」で前提とした環境において、DHCPサーバを構築するために必要な情報を「/etc/dhcpd.conf」に書き込みます。
    また、SystemGlobe DeploymentManger Lite のユーザーズガイドで、BladeServerに対して固定アドレスを割当てることを推奨していますので、併せて、固定アドレスを割当てるための設定を行ないます。

    なお、このファイル(「/etc/dhcpd.conf」)は、上記のパッケージをインストールした際には自動的に作成されませんので、サーバ管理者が新規に作成します。
    [root@NFS root]# vi /etc/dhcpd.conf
    default-lease-time 1800;
    max-lease-time 3600;
    subnet 192.168.0.0 netmask 255.255.255.0 {
      option broadcast-address 192.168.0.255;
      option routers 192.168.0.254;
      option subnet-mask 255.255.255.0;
      range 192.168.0.100 192.168.0.120;
    
      host 420MA-1{
        fixed-address 192.168.0.100;
        hardware ethernet 00:30:13:xx:xx:01;
      }
    
      host 420MA-2{
        fixed-address 192.168.0.101;
        hardware ethernet 00:30:13:xx:xx:02;
      }
    }

  3. DHCPサービスの起動

    以下のコマンドを実行して、DHCPサービスを起動します。
    [root@NFS root]# /etc/rc.d/init.d/dhcpd start
    Starting dhcpd :                                      [  OK  ]
    そして、次回起動時からもDHCPサービスが有効になるように、以下のコマンドを実行します。
    [root@NFS root]# chkconfig dhcpd on


6.インストールの実行

■NFSサーバでの準備

  1. ファイルのコピー

    「Linux 基本サービスセット ソフトウェアCD-ROM」をマウントし、「\nec\Linux\kickstart\ks.cfg」をNFSサーバの「/exports/redhat/blade-ks」ディレクトリにコピーします。
    [root@NFS root]# mount -t iso9660 -o ro /dev/cdrom /mnt/cdrom
    [root@NFS root]# cd /mnt/cdrom/nec/Linux/kickstart/
    [root@NFS kickstart]# cp ks.cfg /exports/redhat/blade-ks
    [root@NFS root]# cd
    [root@NFS root]# umount /mnt/cdrom
    [root@NFS root]# eject /dev/cdrom

  2. ファイルの編集

    コピーした ks.cfg を環境に合わせて編集します。ここでの編集では、「nfs」から始まる行でNFSサーバを指定し、「part」から始まる行でNFSサーバで公開しているパーティション分割の設定を行ないます。(アンダーラインの箇所を編集します。)
    なお、詳細については、「オフィシャル Red Hat Linux 7.2 カスタマイズガイド」の「キックスタートオプション」を参照して下さい。

    注)ファイルの編集はLinuxサーバ上か、改行コードが指定できるエディタを使用し、ファイル保存の際には、改行コードがLFとなるようにして下さい。(Windowsの標準では、CR+LF です。)
    [root@NFS root]# vi /exports/redhat/blade-ks/ks.cfg
    #Generated by Kickstart Configurator
    lang en_US
    langsupport ja_JP.eucJP
    keyboard jp106
    mouse genericps/2
    timezone Asia/Tokyo
    rootpw express
    bootloader --location=mbr
    install
    network --bootproto dhcp
    nfs --server 192.168.0.11 --dir /exports/redhat/blade
    text
    reboot
    
    zerombr yes
    clearpart --linux
    part /boot --fstype ext3 --size 20
    part  swap --size 1024
    part / --fstype ext3 --size 2048 --asprimary
    part /var --fstype ext3 --size 2048
    part /home --fstype ext3 --size 2048 --grow
      ・
      ・
      ・

■管理端末での準備

  1. ファイルのコピー(その1)

    「Linux 基本サービスセット ソフトウェアCD-ROM」をSystemGlobe DeploymentManager Lite をインストールした管理端末にセットし、「\nec\Linux\tftpboot\pxelinux」配下の全てのファイル/フォルダを、「"DeploymentManagerインストールフォルダ"\PXE\Images\pxelinux」にフォルダ構造を保ったままコピーします。
    なお、DeploymentManagerのインストールファルダを変更していない場合には、「C:\Program Files\NEC\DeploymentManager\PXE\Images\pxelinux」になっています。

    pxelinuxのコピー


  2. ファイルのコピー(その2)

    「Linux 基本サービスセット ソフトウェアCD-ROM」をSystemGlobe DeploymentManager Lite をインストールした管理端末にセットし、「\nec\Linux\kickstart\syslinux.cfg」を「\Deploy\AnsFile\Linux」フォルダにコピーします。

    注)初期設定で指定した「共有フォルダ」を指定します。デフォルトは、「C:\Deploy」です。

    syslinux.cfgのコピー

  3. ファイルの編集

    コピーした「syslinux.cfg」を環境に合わせて編集します。ここでは、kernel行とappend行のパスとファイル名が対象となります。(アンダーラインの箇所を編集します。)

    注)ファイルの編集はLinuxサーバ上か、改行コードが指定できるエディタを使用し、ファイル保存の際には、改行コードがLFとなるようにして下さい。(Windowsの標準では、CR+LF です。)
    prompt 0
    timeout 50
    default blade-bto
    
    label blade-bto
            kernel RedHat/blade/vmlinuz
            append initrd=RedHat/blade/initrd.img 
                   ks=nfs:192.168.0.11:/exports/redhat/blade-ks/ks.cfg
    # 実際には、append行の initrd と ks の行は一行で表記されています。
    

  4. シナリオファイルの作成

    BladeServerにインストールを行なう際に、どのデータを使用して、いつ、どのようにインストールを行なうか指定することをシナリオ作成といいます。

    シナリオファイルを作成するために、SystemGlobe DeploymentManager Lite の「シナリオレビュー」を右クリックして「シナリオファイルの新規登録」を選択します。

    シナリオ作成


    初期設定で指定したパスワードの入力を求められるので、パスワードを入力します。

    パスワード入力


    「シナリオファイルの新規登録」の画面が表示されるので、イメージファイル名で▼のボタンをクリックして「DeleteAllPartition」を選択し、インストール前に全てのパーティションを削除するようにします。

    シナリオファイルの作成(HW設定)


    次に、「オペレーティングシステム」タブを選択し、「オペレ―ティグシステム名」の▼のボタンをクリックして「Linux」を選択します。

    Linuxを選択した場合、「オペレーティングシステム」タブの「システムのアップデート」、「アップデート」タブ、「アプリケーション」タブでの設定機能はサポートしていないので、以下のような画面が表示されます。

    シナリオファイルの作成(オペレーティングシステム)


    「ファイル名を指定」の項目を選択し、▼をクリックして作成したセットアップパラメータファイル(「3.ファイルの編集」で編集したファイル)を指定します。そして、任意の「シナリオ名」を入力して、「OK」ボタンをクリックします。

    シナリオファイルの作成(オペレーティングシステム)




■シナリオの割当てと実行

BladeServerへのシナリオの割当ててシナリオを実行します。

  1. シナリオの割当て

    ツリービューから、シナリオを割当てたい「BladeServer」を右クリックし、「シナリオ」、「シナリオの割当て」と選択します。

    SystemGlobe DeploymentManager Lite


    「シナリオ名」の▼をクリックし、シナリオを選択します。

    シナリオ割当て


  2. シナリオの実行

    ツリービューから、シナリオを実行したい「BladeServer」を右クリックし、「シナリオ」、「シナリオ実行」と選択します。

    SystemGlobe DeploymentManager Lite


    初期設定で指定したパスワードの入力を求められるので、パスワードを入力します。

    パスワード入力


    「シナリオ設定確認」の画面が表示されるので、BladeServerに割当てたシナリオであることを確認して「OK」をクリックしてシナリオを実行します。

    シナリオ設定確認


    しばらくすると、画面が更新されて対象のBladeServerのステータスが「シナリオ実行中」になります。

    SystemGlobe DeploymentManager Lite


    シナリオの終了(インストールの終了)は、BladeServerの「ステータス」の表示が「シナリオ実行中」から「電源OFF」になることで確認することができます。

    もし、シナリオの実行に失敗した場合には、「ステータス」が「シナリオ実行エラー」となり、BladeServerの画像が赤く表示されます。この場合、「ks.cfg」ファイル、「syslinux.cfg」ファイルの編集内容、NFSサーバのアクセス権などが原因として考えられますので、再度設定を見直す必要があります。

    SystemGlobe DeploymentManager Lite


    設定を見直し、再度シナリオを実行する場合、このままではシナリオを実行することが出来ませんので、「シナリオ実行エラー」となっているBladeServerの画像上で右クリックをして「シナリオ実行エラー解除」を選択してエラーを解除します。

    SystemGlobe DeploymentManager Lite




付録

■PXEテクノロジーのインストールの流れ

PXEテクノロジーを使用したインストールでは、以下の図のような流れでBladeServerが起動し、インストールが行なわれるため、DHCPサーバ、FTPサーバ、NFSサーバが必要になります。

しかし、SystemGlobe DeploymentManager Lite を用いた場合、SystemGlobe DeploymentManager Lite は以下の図のDHCP Serverの一部の動作とTFTP Serverの動作を行なうため、インストールの手続きや環境管理を簡易化することができます。
 +-- サーバマシン --+                              +--- BladeServer ---+ 
 |                  |                              |                   | 
 | +--------------+ |                              | +---------------+ | 
 | |              |<-----------(DHCP要求)------------|               | | 
 | |              |------------(DHCP応答)----------->|               | | 
 | |  DHCP Server | |                              | |NIC上の        | | 
 | |              |<-(DHCP要求)-------*        *-----| PXE BootRecord| | 
 | |              | |                  \    /    | |               | | 
 | |              |--(DHCP応答)-------*  \/  *---->|               | | 
 | +--------------+ |                  \/\/    | +---------------+ | 
 |                  |                  /\/\    |                   | 
 | +--------------+ |                /  /\  \  | +---------------+ | 
 | |              |<-(TFTP要求)-----*  /    \  * | |               | | 
 | |              | |                /        * | | |               | | 
 | |              |--(pxelinux転送)-*          | | | |               | | 
 | |  TFTP Server | |                          | | | |    pxelinux   | | 
 | |              |<-----------(TFTP要求)------------|               | | 
 | |              | |                          | | | |               | | 
 | |              |-------(vmlinuz等読み込み)------->|               | | 
 | +--------------+ |                          | | | +---------------+ | 
 |                  |                          | | |                   | 
 | +--------------+ |                          | | | +---------------+ | 
 | |              | |                          | *---|               | | 
 | |              | |                          |   | |               | | 
 | |  NFS Serve   | |                          *---->|  Linux Kernel | | 
 | |              | |                              | |               | | 
 | |              |<-------(インストール開始)------->|               | | 
 | +--------------+ |                              | +---------------+ | 
 |                  |                              |                   | 
 +------------------+                              +-------------------+ 



8.更新履歴<

■改版履歴

2002/08/23 初版作成
2004/07/23 初版を元に第二版を作成(SystemGlobe DeployemntManager Lite用に修正)




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