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                 Express5800シリーズ
                 Express5800/LB300d(N8100-1145)
                 オプションNICをお使いのお客様へ
                 (ハードウェア交換時の注意事項)
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                                                              日本電気株式会社
                                                                     2006年 12月

【目次】
  1.お知らせ
  2.対象機種
  3.対象とする現象
  4.本現象への対応手順
  5.再セットアップが不可能な場合の対応手順
  6.注意および制限事項
  7.商標および著作権

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1.お知らせ

  Express5800/LB300dにおいて、オプションNICを増設している場合、HW故障等にともな
  う装置(部品)交換後に、再セットアップを行わない状況では、ネットワークが起動
  しません。再セットアップを実施いただく必要がございます。

  LB300dにおいて、オプションNICを増設しているお客様は本書を必ずご一読ください。

  ※本文章には、5章にて再セットアップができない場合の対応手順も記載されています。

2.対象機種
 
  機    種:Express5800/LB300d (N8100-1145)

  ※オプションNIC(増設LANインタフェース・PCIに接続するNIC)を使用している装置
    のみ。


3.対象とする現象

  現象が発生する主な装置・部品交換例と、その際の現象としては以下が考えられます。

  ■マザーボード交換。
    →LANポート1、LANポート2が起動しない状態になる。

  ■装置全体を交換したが、HDDについては従来使用しているものを接続した。
    →LANポート1、LANポート2が起動しない状態になる。また、オプションNICインタ
      フェースも交換した場合は、オプションNICインタフェースも起動しない状態に
      なる。

  ■オプションNICを交換した。
    →オプションNICインタフェースが起動しない状態になる。

  現象が発生しているかは以下のように確認できます。

   <確認手順>

      (1)事前準備
        
         LB300dに直接ログインできる環境が必要です。LB300d本体にキーボードを
         接続し、root権限でログインします。

         ※rootのパスワードは、初期導入設定時に管理者(デフォルトadmin)に
           設定したものです。管理者用のパスワードを変更していなければ、管理者と
           同じパスワードとなります。

      (2)現象発生確認

         対象となる現象が発生していることを確認します。
         以下のコマンドを入力します。

         # ifconfig

         現状で起動してるLANインタフェースが表示されます。
         オプションNICを増設しているので、本来であれば、eth0、eth1、eth2の3つの
         インタフェースが表示されるはずです。3つ全て表示されていないようであれば
         現象が発生している可能性があります。

         ※lo(ループバック)、eth0:x(エイリアス)も表示されますが、eth0、
           eth1、eth2をご確認ください。

         可能性がある場合、起動時のログを確認します。

         # view /var/log/messages

         最近のシステム起動時のログに以下のような記述がある場合、現象が発生して
         います。

         ifup: Device eth0 has different MAC address than expected, ignoring.
         network: Bringing up interface eth0:  failed


4.本現象への対応手順

  LBシリーズとしては、マザーボードなどの重要な機器が交換された場合は基本的に
  再セットアップを推奨します。短時間で確実に、現状の構成での工場出荷状態と同等に
  することが可能なためです。

  ※LB300dの再セットアップ自体は20分前後で終了します。その後、バックアップして
    いる設定情報を用いて、お客様環境を復元してください。
  
  再セットアップ手順についてはユーザーズガイドの以下をご覧ください。
      
  3章[システムのセットアップ]-[再セットアップ]
  
  ※保守用パーティションの再作成は不要です。

5.再セットアップが不可能な場合の対応手順

  もし、最新の設定情報等をバックアップしておらず、現状のLB300dの設定仕様書も
  手元にない状況等、再セットアップを実施後、復旧することが難しい場合は以下の
  手順にてご対応ください。

  ※マザーボードなどの重要な機器が故障等した場合は、LB300dのシステム(ハード
    ディスク内のSW)に何らかの影響を与えている可能性もございます。下記手順
    にてネットワークは起動するようになりますが、他に全く問題がないと断言は
    できません。可能な限り再セットアップをお願いします。

  ■事前確認
    
    現象が発生後であっても起動しているNICが残っていれば、そのNICより設定情報を
    取得し、再セットアップを行える可能性があります。ご確認ください。

    結果として、やはり再セットアップの実施ができない場合は後述のスクリプトファ
    イルの修正を実施願います。

      ※通常、WbMCはどのLANインターフェースからでもアクセスできます。
          https://(LANインタフェースのIP):50453/
          http://(LANインタフェースのIP):50090/

      ※WbMCにて実施可能な負荷分散に関する設定情報のセーブ操作は以下で行えます。
        詳細については同画面の右上のヘルプを参照ください。

        [WbMC]-[LoadBalancer]-[バックアップ]-[設定情報のセーブ]

      ※WbMCにて実施可能な主なバックアップ操作は以下で行えます。
        詳細については同画面の右上のヘルプを参照ください。

        [WbMC]-[システム]-[バックアップ/リストア]

  ■スクリプトファイルの修正
    スクリプトファイルのMACアドレスを修正することで、LANインタフェースを起動する
    状態にすることができます。

    <作業手順>

      (1)事前準備
        
         LB300dに接続されたキーボードを使用し、root権限でログインします。

         ※ログイン方法については、上述の確認手順をご覧ください。


      (2)kudzuコマンドによるデバイスの削除

         以下のコマンドを入力します。

         # kon
         # kudzu

         ※このコマンド実行後、何も表示されない場合は手順(4)に進んでください。

         コマンドベースの簡単なGUI画面が表示されます。
         [取り外されたハードウェア]
         -[以下のネットワーク・カードがシステムから取り外されました]
         
         [設定を削除]を選択し、Enterを押します。

         ※状況によっては複数個のデバイスをGUI画面にて削除する必要があります。
           画面にしたがって操作してください。

         ※もし[ネットワークカード]以外のデバイスを削除するか選択する画面が表示
           され、SE殿にて判断がつかない場合は[何も行わない]を選択してください。

      (3)kudzuコマンドによるデバイスの追加

         引き続き、以下の画面が表示されることがあります。表示されない場合は、
         手順(4)に進んでください。

         [追加されたハードウェア]
         -[以下のネットワーク・カードがシステムに追加されました]

         [設定]を選択し、Enterを押します。

         IPアドレス等を設定する画面が表示されますが、何も変更は行わずに、
         [戻る]を選択し、Enterを押します。

         ※もし[ネットワークカード]以外のデバイスを追加するか選択する画面が表示
           され、SE殿にて判断がつかない場合は[何も行わない]を選択してください。

         ※状況によっては複数個のデバイスをGUI画面にて追加する必要があります。
           画面にしたがって操作してください。

      (4)hwconfファイルからLANインタフェースのMACアドレスを抽出

         以下のコマンドでhwconfファイルからMACアドレスを抽出します。

         # grep -r network  /etc/sysconfig/hwconf

         以下のようにMACアドレスが3つ表示されますので記録をとります。
         ※MACアドレスは例です

         network.hwaddr: 00:0E:0C:XX:XX:CA  <-オプションNIC
         network.hwaddr: 00:16:E6:XX:XX:E9  <-LANポート2
         network.hwaddr: 00:16:E6:XX:XX:E8  <-LANポート1

         このうち、2つのLANインターフェースで先頭のフィールドが同じコード
         (00:16:E6や00:14:85等)で始まるMACアドレスがオンボードNIC×2のもので、
         末尾のフィールドの16進数が若い順にLANポート1、LANポート2となります。
         残りのMACアドレスがオプションNICのものです。

      (5)ifcfg-ethXファイルを修正
         
         以下のコマンドでifcfg-ethXファイルの存在を確認します。

         # ls /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth*

         以下のようにファイルが表示されます。

         /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0
         /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth1
         /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth2

         ※もし、上記のファイルがそろっていない場合は、cpコマンドにて既存の
           ifcfg-ethXファイルをコピーし、上記の3ファイルがそろうようにして
           ください。コピーしたファイルについてはネットワークに関する各パラメー
           タを変更します。

         viにて各ファイルのMACアドレスに関するHWADDRパラメータを編集します。

         ※eth0の例です。

         # vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0

         HWADDR=00:16:E6:XX:XX:E8

         ifcfg-eth0ファイル -> LANポート1のMACアドレスを記述します。
         ifcfg-eth1ファイル -> LANポート2のMACアドレスを記述します。
         ifcfg-eth2ファイル -> オプションNICのMACアドレスを記述します。

      (6)modules.confファイルを確認

         viにてmodules.confファイルを確認します。

         # vi /etc/modules.conf

         以下のethに関するalias記述が3行とも記述されていることを確認し、不足して
         いる場合は、記述を追加します。

         alias eth0 e1000
         alias eth1 e1000
         alias eth2 e1000

         ※他の記述については編集しないでください。

      (7)システムを再起動

         以下のコマンドにてシステムを再起動します。

         # reboot

      (8)ネットワークが正常に起動しているか確認

         再起動完了後、ネットワークが起動しているか確認します。

         ※正常に起動していないと考えられる場合は、上記手順にて設定した各ファ
           イルを再度ご確認ください。


6.注意および制限事項

  ・LB300dを二重化している場合でも上記の作業に差分はありません。コーディネータ、
    バックアップコーディネータに関わらず、上記の対応をお願いします。

  ・再セットアップには本体添付の以下の媒体が必要です。
        -バックアップCD-ROM
        -バックアップCD-ROM用インストールディスク
        -初期導入設定用ディスク

7.商標および著作権
  LBシリーズ ソフトウェアの著作権は日本電気株式会社が有しています。

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